次の世代に何かを残せる生き方をしよう! ~吉田松陰 3/3~

人の紹介

おはようございます。あっぺいです。

前回から引き続き、今回も吉田松陰の考え方をご紹介します。

1/3では、教える立場の人間が「ともに学ぼう」という姿勢を持つことの大切さについてご紹介しました。

2/3では、誰に対しても真摯に対応すること、また、個性を伸ばす教育の大切さについてご紹介しました。

今回は松陰の死生観についてのご紹介します。

金子重之輔の死

松陰は25歳の時に弟子と一緒にアメリカの軍艦に乗り込み、亡命しようとして失敗します。

その後、野山獄に投獄され、そこで囚人とともに学んだことは以前の記事でもご紹介しました。

その時、一緒に亡命しようとした弟子を獄中で失っています。

その弟子の名前は金子重之輔と言います。

松陰は士分(武士)が収容される野山獄に投獄されたため、環境もそれほど悪くありませんでした。

しかし、重之輔は身分の低い者が収容される岩倉獄に投獄されました。ここは食べ物や着る物も十分に支給されない劣悪な環境でした。そのため、重之輔は投獄中に死んでしまいます。23歳の若さでした。

重之輔の死を獄中で聞いた松陰は、彼の魂を鎮めるために詩歌や俳句を集めた本を作ります。

この本は『冤魂慰草(えいこんいそう)』と名付けられます。

この重之輔の死が松陰の死生観に大きく影響を与えることになります。

ことあるごとに松陰は重之輔を回顧し、「生きるとはどういうことか」という自問自答を続けます。

七生説

重之輔の死の翌年、安政3(1856)年に松陰は自己の死生観をまとめます。

それが「七生説」です。楠木正成を想起しつつ、自分の人生観を語ったものです。この中で松陰はこう述べます。

私は今までに数回、湊川の楠公(楠木正成)の墓所を参拝しました。その度に涙が溢れて止めることができません。その墓碑の裏には朱舜水の一文が刻まれています。それを読んではまた涙が止まらなくなります。私と彼らには何のつながりもありません。しかし、彼らのことを考えると涙が止まらなくなります。(中略)私と彼らは、みな宇宙に広がる「理」を自分の心にしていて、心は一つにつながっているのではないでしょうか。だからこそ、私は涙が止まらなくなったのでしょう。(中略)私は、私の後に続く人々が、私の生き方を見て、必ず奮い立つような、そんな生き方をしてみせます。

この決意が後の松陰の門下生を生んだのでしょう。事実、松陰の死後、彼の門下生は奮い立ち、日本は大きく変わります。

『留魂録』第八条

松陰が二度目の投獄中の安政6(1859)年、彼は死を覚悟して、門下生に遺す遺書を書いています。それが『留魂録』です。そこで彼は自分の死について書きます。

春夏秋冬、という季節の循環があります。春に種を蒔き、夏に苗を植え、秋に刈り取り、冬に収穫を蓄えます。収穫の季節にはみなそれを喜びます。私は今30歳です。何一つ成功させることなく死にます。稲穂が出る前に稲が死んでしまうことに似ているかもしれません。しかし、私自身は、私の人生はこれで収穫を迎えたのだと思っています。(中略)私は30歳になります。もう稲穂も出て、実を結んでいます。その実の中身がカラッポなのか、立派につまったものなのか、それは私にも分かりません。けれども、もし同志の中で私の志を継いでくれる者がいれば幸いです。それは、一粒のモミが、次の春の種モミになるようなものでしょう。もし、そうなれば、私の人生は春夏秋冬を経て、立派に中身が詰まった種モミだっだということです。

松陰は自分の死を受け入れていました。

むしろ、自分が死を有効活用することを考えていたのでしょう。

自分の死がきっかけどなり、遺された人たちが何か行動を起こしてくれるのであれば本望だったのでしょう。

この思いは「七生説」でも触れられています。

この留魂録を書き上げた後、松陰は斬首されます。

しかし、死の直前まで松陰は冷静で堂々としていたと言います。

死を受け入れ、遺された者たちに希望を託し、松陰は29歳の生涯を終えました。

まとめ

今回は松陰の死生観についてご紹介しました。

  • 人は、会ったこともない他人の人生に触れて感動できる
  • 自分が死んだ後でも、遺された人たちを支える力をこの世に留めることができる

生涯をかけて学び続け、日本の未来を憂い、弟子を育て、志半ばで処刑される。

自らの人生を「まだ何も成功させてはいない」としながらも「それでも誰かが私の志を引き継いでくれれば、私の人生に意味があった」と死を受け入れました。

松陰の死後、彼の弟子たちが日本を大きく変えることになります。

そして、彼の死後100年以上たっても彼の遺した言葉に心が震える者が多くいます。私もその一人です。

彼ほどの影響力がなくても、自分の肉体が朽ちた後に、誰かを助けてあげられる言葉を遺したいものです。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

みなさんの世界が、また少し美しくなりますように。

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