そこでできることをやろう! ~漁夫之辞~

古典の紹介

おはようございます。あっぺいです。

今日は自分がいる環境を受け入れることの大切についてご紹介します。

環境が変化して、関わる人が変わることってありますよね。いい変化もあれば、悪い変化もあります。

「なんでこんな人たちと一緒にいないといけないんだろう…」

「いやだ、早くここから出ていきたい…」

そんな思いで悶々と過ごすのってつらいですよね。

今日はそんなときに気楽になれる考え方についてご紹介します。

漁夫之辞のあらすじ

屈原:横山大観 作

古代の中国に楚という国がありました。そこに屈原という優秀な人がいました。彼は懐王という楚の王に仕えていましたが、懐王の部下には自分の利益のことしか考えていない者が多くいました。屈原は非常に優秀であったため、同僚たちから嫉妬され、裏切られ、楚から追放されてしまいます。

同僚に裏切られた屈原は、楚の将来に絶望し、5月5日に川に身を投げてしまいます。

「漁夫之辞」には、追放されてあてもなく河原を歩いていた屈原と、たまたまそこを通りすりぎた漁夫(漁師)との会話が描かれています。

漁師が屈原をみつけて声をかけます。

「あなたは屈原様ではありませんか?なぜこんなところに?」

「世の中のすべてが濁っていて、私だけが清らかだったからだ。みんなが酔っ払っている中で、私だけが素面(シラフ)だったからだよ。だから追放されて、こんな河原を歩く羽目になったのだよ。」

本当に立派な人っていうのは、世の中の変化に合わせられるもんですよ。みんが泥にまみれていたなら、あなたも泥遊びをすればよかった。みんなが酔っ払っていたなら、あなたもお酒を飲めばよかった。みんなが酔っ払ってる中で一人だけ真面目なことを言っていたなら、そりゃ追放されますよ」

「風呂に入ってキレイになった後で汚れた服を着るのは嫌だろう。私は清廉潔白でありたいのだ。私を汚すくらいなら、川に飛び込んで魚のえさになった方がましだよ」

その言葉を聞いた漁師はにっこり笑います。そして次のように歌いながら去っていきます。

「キレイな水が流れていれば、そこでは大切なものを洗おうよ♪汚い水が流れていれば、そこでは汚れた足を洗おうよ♪」

だいぶ現代に近い感覚で約したので、厳密には違う箇所がありますが…だいたいこんな感じです。

漁夫之辞から学ぶこと

屈原と漁夫、どちらが正しいか。これはもう価値観の違いですよね。

どんな場所にいても自分の信念を変えない屈原。

環境に合わせて自分の行動を変化させる漁夫。

私は若い時は屈原に共感しましたが、今では漁夫の考え方に近くなっています。

なぜなら、次のことを今までに学んできたからです。

  • 環境や他人をコントロールすることは難しい
  • 自分自身はコントロールすることができる
  • コントロールできることを優先する

自分でコントロールできないものにエネルギーを使うのは無駄なことです。だって意味ないんですから。人を変えるより、自分が変わった方が楽です。

この話の中で「泥遊びをする」「酒に酔う」という表現が出てきますが、これは「不正」「汚職」を抽象化したものだと考えられます。

もちろん、不正や汚職が横行する環境で、周囲と同じ行動をとってはいけません。

しかし、「なんか合わないな」という程度であれば、自分が合わせてみることも大切だと思います。今までと違う新しい発見があるかもしれません。

「キレイな水が流れていれば、そこでは大切なものを洗おうよ♪汚い水が流れていれば、そこでは汚れた足を洗おうよ♪」

この歌ですが、

「環境に合わせて自分にできるベストを尽くそうよ」

という意味だと私は解釈しています。

自分がいる環境のせいにして「こんな場所(こんな人たち)じゃ何もできない!」という前に「この環境(この人たち)でできる最良のことはなんだろう?」と考えてみることが大切です。どんな環境でも、何かはできます。

もちろん、可能であれば思い切って環境を変えた方がいいこともあります

しかし、一度は「ここでできる最良のことは何か?」を考えることが大切です

最後、漁夫が屈原の言葉を聞いて微笑んだのは「あなたの考え方もいいねえ」というある種の共感だったのだと私は思います。自分とは違う考えでも、相手の信念に共感を持つことってありますよね。

誰にだって信念はあります。「こんな人と一緒にやってらんない」と思っている相手にだってきっと信念があるんですよ。それを尊重しましょう。

まとめ

今回も古典作品をご紹介しました。下記の記事もご参考ください。

本日の内容をまとめます。

  • 嫌な環境に置かれても、その環境に合わせてみることで新しい発見があるかもしれない
  • 「できない」という前に「ベストではなくともベターは何か」を探すことが大切
  • 自分はコントロールできるが、環境や他人はコントロールできない

ちなみに、中国では屈原は非常に高く評価されています。端午の節句も「男の子は屈原のようになってほしい」という思いが込められて、彼の命日である5月5日になったのです。

今日もきっといい日になります。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

みなさんの世界が、また少し美しくなりますように。

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