ガンについて知ろう!~『人がガンになるたった2つの条件』 安保徹 著①~

健康法の紹介

おはようございます。あっぺいです。

さて、先週は5回に分けて藤田 紘一郎さんの『脳はバカ、腸はかしこい』をご紹介しました。

5日目の記事でこんな一節を引用しました。

ガン細胞は解糖エンジンでエネルギーを得ています。安保教授は、ガン細胞は先祖返りした細胞で、 エネルギー系をミトコンドリアエンジンに変えればガン細胞は増殖できなくなると語っています。

出典:『脳はバカ、腸はかしこい』 藤田 紘一郎 著

今日はこの引用元である安保徹先生の『人がガンになるたった2つの条件』をご紹介します。

今日と明日の二回に分けてご紹介します。

前半の今日はガンの原因となる代謝の仕組みについてご紹介します。

後半の明日は、ガンにならないための具体的方法についてご紹介します。

人はなぜガンになるのか?

人はなぜガンになるのか? それは決して難しいものではなく、働きすぎや心の悩みなどによるストレスと、それによる血流障害、すなわち冷えが主な原因です。

出典:『人がガンになるたった2つの条件』 安保徹 著

本書ではガンの原因を次の2つだとしています。

  • ストレス
  • 体の冷え

非常にシンプルです。

逆に言えば、できる限りストレスを感じない生活を送り、体を温めることでガンにならずにすむと言うことです。

よく「ガン細胞は細胞分裂の際にエラーによって生まれる細胞である」という表現をします。

そのため、「偶然エラー(=ミス)が何度も重なることでガンになってしまう」と考える人がいます。

しかし、安保先生は異なる視点でガンが大きくなるプロセスを見ています。

ガンはある目的に向かって、整然としたプロセスをたどってできるものであるからです。 ガンは一般的に思われているような失敗作などではありません。ガンになる条件が整えば必ずガンになるわけですから、失敗どころか、「成功の繰り返しによって生まれている」といったほうが自然です。

出典:同書

ガンは失敗作ではなく、「ガンになる条件をクリアしていく結果として大きくなっていく」という視点です。

つまり、我々は知らず知らずのうちに「ガンを育てる環境」を体内に整備してしまっているのです。

では、それはどのような環境なのでしょうか。

ガンは、ストレスによって低酸素・低体温状態が日常化したとき、体の細胞がガン化して生まれるのです。

出典:同書

くどいようですが、ガンになる理由はストレス・体の冷えです。

これについて説明しましょう。

我々がストレスを感じると、無意識のうちの体が緊張状態になります。その状態ではアドレナリンやノルアドレナリンが放出されます。これらが放出されることで、交感神経が優位となり、血管を収縮させます。それによって血流が悪くなり、低酸素状態が生まれ、体温が下がってしまいます。

人類は長い歴史の中で野生動物に捕食される危険を感じながら生活していました。そのため、ストレス(捕食される危機)を感じれば、すぐに戦ったり闘争するために交感神経が優位になるようにプログラムされています。

人類が生まれてから700万年です。ホモサピエンスの歴史の限定にしても20万年です。人間が文明的な生活を始めて野生動物の恐怖におびえなくなったのは長い歴史から見るとつい最近のことです。

文明の発達した現代においては「ストレス=捕食される危機」という図式は成立しません。

現代におけるストレスの発生理由は人によって異なりますが、未だに我々の体は「臨戦態勢を整えよう!」と体温を下げて低酸素状態を作ってしまいます。

そして、その環境はガン細胞が増殖するのに最高に環境になるのです。

2つのエネルギーの製造システム

エネルギー製造のシステムは、「解糖系」と「ミトコンドリア系」という二つのプロセスに分けることができます。わかりやすくいえば、人間には細胞内に、性質の異なる二つのエネルギー工場があるのです。

出典:同書

我々の体には2つの異なるエンジンが搭載されています。

それが「解糖系エンジン」と「ミトコンドリア系エンジン」です。

このことは下記の記事でも簡単にご紹介しています。

「解糖系エンジン」と「ミトコンドリア系エンジン」は異なる燃料からエネルギーを生み出します。

加齢とともに「解糖系エンジン」から「ミトコンドリア系エンジン」にシフトしていきますが、それについては詳しく後述します。

まず、この二つのエンジンの違いについてご説明します。

解糖系

まず解糖系についてですが、これは食べ物から得られる栄養素をエネルギーに変換するシステムです。 原料になるのは主にブドウ糖(糖質)ですが、糖を分解するだけの単純なシステムなのですぐにエネルギーが作り出せるのが特徴です。ただ、速効性がある分、一度に作り出せる量は決して多くはありません。

出典:同書

短期的なエネルギーを生み出すためのエンジンが解糖系エンジンです。

人類がまだ捕食者におびえていた時に活躍していたのがこのエンジンです。ストレスを受けて臨戦態勢になったとき、一瞬で戦闘モードや逃避モードに切り替えて、爆発的なエネルギーを使うためのエンジンです。

現在でもこのエンジンは体内に残されています。

そのため、我々はストレスを感じると食欲が増したり、甘い物を求めるのです。

ミトコンドリア系

これに対してミトコンドリア系は、解糖系で分解された栄養素などに加え、呼吸によって得られた酸素など、ほかの多くの要素も関わっています。

出典:同書

ミトコンドリア系エンジンについて説明する前に、生命の進化の歴史を理解する必要があります。

私たちの細胞の中にはミトコンドリアという小器官があります。このミトコンドリアはもともとは独立した一つの生命でした。

我々は20億年前まで、原核生物でした。これは細胞内にDNAを含んでいない生物です。

38億年前に生命が誕生したとされています。その時の地球には酸素がありません。つまり、初期の生命は無酸素状態で生まれ、そこで細胞分裂を繰り返し増殖したのです。

しかし、20億年前に地球環境に大きな変化が起こりました。太陽の光をエネルギーに変える光合細菌が生まれたのです。光合成によってエネルギーを作る際には二酸化炭素を消費して、酸素が老廃物として生まれます。この光合細菌の発生によって、大気中の酸素が急激に増えたのです。

無酸素状態で生きていた我々の祖先にとって、大気中の酸素濃度が急増するのは危機的状況でした。

しかし、この状態に適応できる生命も誕生しました。酸素を使ってエネルギーを生み出す細菌です。そして、この細菌がミトコンドリアの祖先です。

そして、原核生物だった私たちの祖先はミトコンドリアの祖先を体内に取り組み、共生することで酸素からもエネルギーを生み出すことができるようになりました。

これによって原核生物から真核生物に進化し、酸素濃度が上昇し続ける世界でも生き残ることができるようになりました。

では、ミトコンドリア系エンジンに話を戻しましょう。

ミトコンドリア系エンジンは酸素を取り入れてエネルギーを生み出します。解糖系エンジンのように短期間で爆発的なエネルギーを生み出すことはありませんが、長期間続くエネルギーを生み出すことができます。

ミトコンドリア系エンジンは高温で高酸素状態で機能します。ミトコンドリア系エンジンを活性化させるためには、体温を高く保ち、酸素を体中に供給し続ける必要があります。

加齢とともに「解糖系」から「ミトコンドリア系」にシフトする

子供の時代から二十代、三十代と年齢を重ねていくと、ミトコンドリア系が優位になり、瞬発力=解糖系が後退する分、さすがにおやつまではいらなくなります。食べなくなるわけではありませんが、食べすぎると消化されず、スポーツ選手のようによほど解糖系を使わないかぎり、過食が肥満や病気の原因になっていくのです。 そして、中年期を経て老年期へ近づいていくとさらにミトコンドリア系が優位になるため、食が細くなっていき、 脂っこいものなどはあまり受け付けなくなります。肉よりも魚や豆が欲しくなるのもそのためです。(中略)最近では朝ごはんをしっかり食べることがすすめられていますが、朝ごはんが本当に必要なのは解糖系優位な子供の年代です。 大人や老人は、食べすぎを回避するため、朝ごはんを少なくしたり、抜いたりすることも必要。しかし、同じやり方で子供を少食の世界に入れてしまうと、解糖系が十分に働かず、成長が妨げられてしまいます。

出典:同書

解糖系エンジンとミトコンドリア系エンジンの違いを知ると、加齢によるエンジンの移行を理解しやすくなります。

若い時は解糖系エンジンをメインエンジンとして使用しています。

子孫を残すために短期的にエネルギーを使う機会が多いからです。

これも原始時代にデザインされた体の構造です。

人類の長い歴史の大半で、若年期は危険を冒してもたくさんの食料を確保する必要がありました。また、繁殖のために雌をめぐって他の雄との争いがあったからです。

しかし、中年期以降は解糖系エンジンは不要になっていきます。ある意味では、雄としての役割を終えているからです。

現代においては中年期以降も男性には様々な役割が求められています。晩婚化も進み、中年期以降に子育てを始める男性も多いです。

それにも関わらず、我々の体は中年期以降はすでにミトコンドリア系エンジンにメインエンジンを切り替えて「のんびり過ごそうモード」になってしまうのです。

そのモードになっているのに、無理して解糖系エンジンを使おうとすることで、体内でガン細胞が大きくなってしまうのです。この仕組みについては明日詳しくご説明します。

まとめ

本日の内容をまとめます。

38億年前、原核生物であった我々の祖先は無酸素低温状態の地球で糖を分解し、細胞分裂を続けていました。しかし、地上に酸素が急増したことで、酸素からエネルギーを作る生物(ミトコンドリアの祖先)を体内に寄生させ、共生するようになりました。

そのため、現在の我々も糖を分解してエネルギーを生み出す「解糖系エンジン」と、酸素によってエネルギーを生み出す「ミトコンドリア系エンジン」を持っています。

しかし加齢とともに「解糖系エンジン」から「ミトコンドリア系エンジン」に切り替わります。そこで食生活を改善しないと、「解糖系エンジン」ばかりが使われ、無酸素低温状態を好むガン細胞が大きくなってしまうということです。

本日は代謝(エネルギーを生み出すエンジン)の仕組みについてご紹介しました。

明日は「具体的にガンを予防する方法」についてご紹介します。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

みなさんの世界が、また少し美しくなりますように。

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