おはようございます。あっぺいです。
さて、今週は「上司になった時に読むべき本」というテーマで本を紹介していきます。
1日目は『貞観政要』でした。理想のリーダーとして太宗皇帝を紹介しました。
2日目は『人を動かす』をご紹介しました。
「どんな扱いをされたら良い気分で働けるか」は時代に関係なく普遍的なものでであり、「ミスを責めないこと」「褒めらることを見つけ、しっかり褒めること」「相手の立場で考えること」の3つについてご紹介しました。
3日目は『図解 部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書』をご紹介しました。
「権限を部下に与える」「具体的な指示する」「部下の個性を活かし、自分が補佐に徹する」の3つの方法についてご紹介しました。
さて、4日目の今日は篠原信 さんの『自分の頭で考えて動く部下の育て方 上司1年生の教科書』をご紹介します。この本で私が参考となったのは次の3点です。
- 上司の仕事が何かを明確にする
- 部下に良いレッテルを貼る
- 部下の工夫を面白がる
では、順番に見ていきましょう。
上司の仕事が何かを明確にする

上司として、部下にやってもらうべきことは「仕事の時間にしっかり働いてもらうこと」だ。それ以上でもそれ以下でもない。
出典:『自分の頭で考えて動く部下に育て方 上司1年生の教科書』篠原信 著
シンプルですが、忘れがちなことです。
先日までの記事では「気持ちよく部下に働いてもらうこと」「部下との信頼関係と築くこと」について書いてきました。
しかし、究極的に言ってしまえば上司の仕事は「部下に仕事時間にしっかり働いてしまうこと」なのです。どれだけ上司として嫌われていようが、信頼関係がなかろうが、上司がクリアーすべきハードルは「部下にしっかり働いてもらうこと」だけでいいのです。
もちろん、「気持ちよく部下に働いてもらうこと」「部下との信頼関係と築くこと」も大切ですが、「仕事時間に部下にしっかり働いてもらう」というハードルをクリアーできなければ、上司としては失格です。
この目標を達成するための手段として、「気持ちよく部下に働いてもらうこと」「部下との信頼関係と築くこと」は必要になってきますが、あくまで目的と手段という関係にあることを忘れてはいけません。
部下に良いレッテルを貼る

レッテルを貼るということは、「心理的に見捨てる」ということでもある。怠け者だというレッテルを貼れば、頑張るように期待することをやめ、「あいつはどうせ」と見捨ててしまう。頑固者だとレッテルを貼れば、理解させようという努力をやめ、見捨ててしまう。
見捨てるというのは、心の糸をプツンと切ってしまった状態だ。ある意味、相手を人ではなくモノ扱いする状態になり、何をしても言ってきても腹が立たないが、その代わり、相手の言葉をなかったことにしてしまう。
出典:同書
部下が言うことを聞いてくれなかったり、期待どおりの働きをしてくれない時、その部下を「この人は力がないから仕方ない」と諦めるのは簡単です。
期待しない分、何をされても気にならなくなります。
しかし、確実にその態度は相手に伝わります。こちらが期待していないことが部下に伝わってしまうと、部下は確実にそれを察知し、「どうせ期待されていないし、手を抜こう」という風により一層仕事をしなくなってしまいます。部下自身も「仕事ができない人」というペルソナ(自分の外的側面、つまり「周りの人に見せる自分」という意味)を被ることになります。
レッテル貼りとペルソナを被ることは、セットで起きる現象だ。そして、この現象はいわば報復合戦だ。レッテルを貼る側はバカにすることで報復し、ペルソナを被る側は相手のためになることは一切しないと心に誓うことで報復する。不幸な関係だと言える。
出典:同書
こういう関係になってしまうのは最悪です。
こうならないために、私が心がけているのは、部下に良いレッテルを貼り、良いペルソナを被せることです。
つまり、仕事が遅い人に対しては「あなたは仕事がとっても丁寧だから助かるよ。確かに、もっと早くやれるようになるとなお良いかもしれない。でも、丁寧にしっかりやってくれるからありがたい」ということを伝えます。するとその人は「自分は仕事が丁寧な人間だ」と思ってくれ、そういうアイデンティティを持って仕事をしてくれます。
どんな人にでも必ず褒められる部分があるはずです。そこを見つけ出して伸ばすことが上司の仕事であることは2日目の記事でもご紹介しました。
部下の工夫を面白がる

外側でしかない成果や成績をほめるのではなく、内面をほめよう。「ほめる」という言葉は、どこをほめたらよいのか混乱しやすいから、工夫を面白がる、と言い換えよう。(中略)この「結果をほめずに、工夫を尋ね、工夫を面白がる」方法は能動的に動き始めた新人にも有効だが、自分の下に配属されてきたベテランの意欲を高めるのにも有効だ。
出典:同書
私もこの方法はよく使います。
自分に想定と違ったことが起こった時は、まず面白がります。良い場合も悪い場合も面白がります。良い結果がでた時は「すごいね!こんなことできるんだね?どうやって思いついたの?俺にはできなかったよ。君だからできたんだね!」と思いっきり褒め、おもいっきり面白がります。
また、想定外のミスがあった時には「ああ、今まではスルーされてたけど、こういうミスも起こり得るんだねえ。いやあ勉強になったよ。今回のようなミスが起きないようにこれが次に活かせるね!いい経験ができたと捉えよう」と伝えることで、部下のショックを和らげることができます。ただ、この場合、確実に同じミスが起こらないように原因解明に上司が携わることが必須です。
「面白がる」というのは、「あ、この人は自分がやったことにちゃんと興味を持ってくれるんだ」と部下に思わせることにつながります。
ちゃんと自分に興味を持ってくれる上司に対しては、部下はしっかりと働くことでお返しをしてくれるものです。
まとめ
今回のポイントをまとめます。今日は『自分の頭で考えて動く部下の育て方 上司1年生の教科書』に書かれてある3つの考え方をご紹介しました。
- 上司の仕事が何かを明確にする
- 部下に良いレッテルを貼る
- 部下の工夫を面白がる
今週は「上司になったら読んで欲しい本」を4冊ご紹介しました。
しかし、上司と部下に留まらず、人間関係をよくするためには非常に役に立つ本ばかりです。このブログをきっかけに読んでいただけると幸いです。
今日で今年度最初の一週間が終わりますね。お疲れ様でした!
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
みなさんの世界が、また少し美しくなりますように。

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